六道珍皇寺

奈良時代 慶俊僧都開基
 
臨済宗建仁寺派
 
本尊 薬師如来
 
 奈良時代創建の宝皇寺が前身の、京都で最古のお寺のひとつ。普通の住宅地の中にぽつんと立つ。
 「六道さん」と呼ばれ、門前には「六道の辻」の碑がある。六道とは、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道のことで、珍皇寺がこの交差点とされた。
 このお寺は、平安時代の宮廷歌人・小野篁(おののたかむら)ゆかりのお寺。
 篁は、昼は朝廷、夜は冥府(あの世)に仕えていたとされる。六道珍皇寺には篁が冥府へ通うために使っていたと伝えられる井戸がある。この井戸の拝観には、事前連絡が必要。また、小野篁像と閻魔大王像も安置されている。篁公と閻魔大王の像は、格子窓からちらりと拝することができる。事前申し込みしておくと、ご対面できるようだ。篁公は、身長が180cmほどあった(現在でもそこそこ大きいと感じるが、当時、男子の平均身長が150cm前後だったのではないかしら?!)と伝えられており、この像も遠目で見る限り、結構大きな像だ。そして井戸は、本堂の右奥にあるのだが、こちらも格子窓からちらりと拝することができる。必死で(笑)覗くと、奥のほうにポツリと井戸が見える。あれが篁公が冥府に夜な夜な通った井戸か…と思うと、感慨深いものがある。ただ、この必死こいて観ている後姿を見られると、かなり怪しい人に映るだろうな…と思った(^_^;)。幸い境内には私一人でしたが。
 お盆の時には、精霊を迎えるために「迎え鐘」が撞かれる。京都の人々のご先祖はここから家々にやってくるのだ。ちなみに「送り鐘」は矢田寺にある。
 …数年後、冬の特別公開にてこの小野篁公及び閻魔大王の像と地獄絵図、そして井戸が申し込みなしで拝見できる(!)という機会を得ました。
 喜び勇んで(笑)訪れ、まずは本堂に上がり、地獄絵図や十王図を説明を聞きつつ眺める。そして、奥に進み、とうとう井戸とごた~いめ~ん(笑)。ガラス越しではありましたが、格子窓から眺めるよりは随分と近く(笑)、かなり興奮。そして、像が治められているお堂へ。いつもは閉じられているお堂の扉が開け放たれ、像が拝見できるようになっていた。篁公像は、本当に大きい。…拝見する機会があってよかった~。いつか申し込んでお参りしようと密かに思っていたりしましたが…(笑)。それはそれで、独り占めできて嬉しいかも(笑)。
 このとき、迎え鐘を撞かせていただくこともできました。とてもよい音色。
 そして、また後年、今度は井戸に近づいていいよという機会が特別拝観であったので、これまた行きましたよ。どんだけ好きやねん(笑)。普通の井戸なのですが、覘き込んだら本当に冥府につながっていそうで(笑)、ちょっとドキドキしましたよ。皆様も機会があればぜひ、冥府を身近に感じてみてください!篁公好きは、マストなお寺。