愛宕念仏寺

764~770頃 稱徳(しょうとく)天皇開基
 

天台宗
  (もとは真言宗)
 

本尊 千手観音

 

 もとは愛宕寺といい、東寺に属する寺院だったが、鴨川の洪水により堂宇が流出。天台宗の僧・千観内供によって再興される。これにより天台宗比叡山の末寺となる。
 また、もともとは東山の地にあったが、大正11年、堂宇の保存と愛宕山との信仰関係から当地に移される。
 火伏せの神として名高い、愛宕神社の祭神の本地仏が地蔵菩薩であることから、京の都を火災から護るために火除地蔵菩薩像が造られ、「火之要慎」のお札が授与される。もちろんゲット(笑)。愛宕の火伏のお守りは、京都の食事処によく貼られている。
 奥嵯峨の地にあり、少し足を伸ばせねばならないので、ずっと気になっていながら、なかなかいけなかったお寺。
 立派な仁王門をくぐるとそこには個性豊かな可愛らしい石仏が迎えてくれる。石段を登ると、三宝の鐘があり、仏法僧の順に鐘を撞くと、何とも美しい音色が和音となって響く。
 そしてもう少し登ると本堂が見える。
 その本堂の周囲には数え切れないほどの石仏!その数なんと千二百体!一般の参拝者が彫ったもので、ポピュラーに蓮の花を持っていたり、中には猫を抱えていたり尺八を吹いていたり、お酒を酌み交わしていたり、見ていて飽きない。それぞれ、趣味とか、好きなものとかなのかなあ。
 ちょうど紅葉が散った後だったこともあり、境内には散り敷いた紅葉と石仏が何ともいえない風情を醸し出していた。ひっそりとたたずむこのお寺に、石仏は良く似合う。