大報恩寺(千本釈迦堂)

1227年 義空上人創建

 

真言宗智山派

 

本尊 釈迦如来

 

 本堂は、京都市中最古の建物。応仁・文明の乱の戦火を奇跡的に免れた、創建当時のままのもの。堂々としたたたずまいをみせる。戦火をかいくぐったとあって、美しい姿は格別に感慨深いものがある。
 本堂内にはその当時の刀傷や槍の傷が残っている。
 境内には、おかめの像がある。本堂造営の祭、棟梁である高次が柱の寸法を切り誤ってしまったのを、妻のおかめが「ますぐみを施せば…」と助言し、本堂は完成する。しかし、女の提言により成功したということが世間にもれるのを恐れたおかめは、上棟式を待たずして自刃して果てたという。
 本堂内にもおかめの置物がたくさん納められている。あの福々しいお顔の裏にはそんな悲劇が隠されていた。
 宝物殿の中には、主に仏像が安置されている。
 中でも素晴らしいのは、六観音像と十大弟子像。六観音像とは、聖、千手、十一面、馬頭、准胝、如意輪の六観音。それぞれが、すらりとしたお姿で、いや、ほんとうにお美しい。そして、十大弟子像。十人の尊者の表情がとてもリアルで、圧倒される。